1 医療過誤・医療事故と感じたら
医療過誤・医療事故と感じたら、患者・家族はどうすれば良いのでしょうか。
医者の機嫌を損ねたくない、医者を最後まで信じたい、どんどん病状が悪くなるのを信じたくない、もしからしたら何かミスがあるのではないか・・・患者・家族には様々な思いが去来します。
2 不審な点や疑問は率直に尋ねる
何か不審な点や疑問が生じたらまずは医師・看護師に率直に尋ねるようにしましょう。誠実な医療機関であれば、きちんと患者・家族の質問に向き合ってくれると思います。
これを法的にみると、患者と医療機関との間には「診療契約」が結ばれていることになるのです。
この診療契約に基づいて患者は医師に対して説明を求めることが可能なわけです。
3 「患者ノート」を付ける
誠実な回答がない場合には、治療内容、説明、病状の変化など「患者ノート」を付けるようにしましょう。
日時と時間を記載して、横の欄に治療内容・思いつくことを記載するだけの簡単なもので結構です。
後日、一から思い出すよりも簡便ですし、そもそも病気の治療経過を記録するという意味で、闘病生活自体にも有益かと思います。
4 医療問題を専門に取り扱う弁護士に相談
治療が一区切りついた段階や残念ながらお亡くなりになった時点など、患者・家族の落ち着いた段階で、その患者ノートをもとに医療問題を専門に取り扱う弁護士に相談することをお勧め致します。
カルテ(診療録)を取り寄せておられればそれも持参されるとより有益なアドバイスを受けることができるでしょう。
5 弁護士の経歴・経験・所属団体を十分に調べて相談
なお最近は弁護士増員の影響で(私が司法試験に合格した1992年には合格者630名でしたが、今では2000名にもなっています。そのため裁判所からも暗に弁護士の質低下を指摘され、私が弁護士会副会長をした2013年も弁護士をいかにトレーニングするかが大きな課題でした)、医療過誤を専門として研鑽する弁護士しか取り扱わなかった医療事故について、「とりあえず取り扱う」レベルの弁護士が増えた結果、トラブルになったり、十分な満足が得られず、結局再度の相談にお越しになる方も増えています。
全国どの地域であれ、患者側の立場で医療問題の研鑽を積んでいる弁護士は、「研究会」や「弁護団」に所属していることが大半です。
医療過誤・医療事故という極めて特殊な分野については、弁護士の経歴・経験・所属団体も十分に調べて相談されることをお勧め致します。