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古賀克重法律事務所 医療ミス・医療事故 相談事例・実績

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星状神経節ブロック注射 施行方法の過失よる植物状態

末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)に対して星状神経節ブロック注射による治療を受けた患者が、その後、心配停止状態に陥り、いわゆる植物状態が継続している事案について、医療機関に星状神経節ブロックの施行方法に過失があったことを前提に、金8000万円の和解が成立した事案

星状神経節ブロック注射は、主として疼痛緩和などの治療手段として実施されているものですが、その性質上重篤な副作用や合併症を引き起こす可能性があり、危険性の高い治療方法です。

従って、星状神経節ブロック注射はブロック注射の危険性に照らし実施方法において高い技術レベルを維持する必要があるため、社会保険上の取り扱いにおいても、疼痛管理を専門とする医師またはその経験のある医師が行うことが原則とされています。

また、星状神経節ブロック注射は、合併症などの危険性にかんがみ、当然のことながら合併症に備えての酸素吸入、人口呼吸などの事前準備を備えた上で、極めて慎重に実施しなければいけません。

さらに、星状神経節ブロック注射が熟練者において実施される場合においても、その合併症の危険性にかんがみ、ブロック注射後において少なくとも30分程度は意識の有無はもとより、呼吸、血圧、脈拍、体温などバイタルサインを頻回にチェックするとともに、万一異常が発生した場合には、直ちに必要な緊急措置を講じる注意義務が存じます。

ところが本件は、技術的にも問題が大きいと指摘されているカテラン針を用いた上、合併症などへの事前の備えも何ら準備することなくブロック注射を実施しました。

しかも、担当した医師は、本件ブロック注射による合併症等に対する事前準備はおろか経過観察にあたるべき者の手配もしないままに注射を実施し、以後のバイタルチェックを自ら実施せず、かつ看護婦などへの点検指示もしないで患者を放置したものでした。

裁判では担当医師の尋問を実施し、医療機関側も責任を認めて8000万円で和解が成立しました。

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