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古賀克重法律事務所 医療ミス・医療事故 相談事例・実績

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先天性心疾患治療のためのフォンタン手術を受けた後、低酸素脳症を原因とする四肢体幹機能障害の後遺症

心室中隔欠損症等の先天性疾患治療のためのフォンタン手術を受けた原告が、術後に低酸素脳症を原因とする四肢体幹機能障害の後遺症を生じたケースで、原則禁忌であった鎮痛剤を漫然と投与し、適切な呼吸管理を怠り、また、脳浮腫の予防・改善を怠った責任を追及し、高裁で2000万円で和解が成立した事案

先天性の心疾患等のある子どもに対する治療・手術の結果、重篤な結果が生じたとして相談に来られる方は少なくありません。

本件は生後まもなく心雑音を指摘され心臓カテーテル検査・心臓超音波検査によって、大型心室中隔欠損等の先天性心奇形による心不全で肺高血圧症を併発していると診断されました。

当時フォンタン手術の適応は概ね2歳前後からと考えられていたため2歳を迎えてから手術が行われました。術後ICUで管理されていましたが、2日後に一般病棟に移された後、呼吸状態が急激に悪化し、低酸素脳症による四肢体幹機能障害の後遺障害を負ったものです。

争点は、低酸素血症と脳機能障害との因果関係、術後呼吸管理についての過失、鎮痛剤投与についての過失等でした。

一審の福岡地方裁判所は、ICUに再搬入した直後、より確実な診断をすべく、頭部CT検査等を早期に実施すべき義務があったとしつつ、速やかな頭部CT検査を怠ったことと患者の後遺障害の発生との間に全面的な因果関係は認められないとして、「原告の後遺障害を重篤化させたことについての慰謝料」として金550万円の損害賠償を認容しました。

このように一部責任を認めたとはいえ、地裁判決には事実認定及び判断理由のいずれにも問題があると考え、原告は福岡高等裁判所に控訴しました。

福岡高裁では「患者の脳機能障害の原因は、肺高血圧クリーゼによる重篤な低酸素状態である」と改めて主張し、鑑定を申請しました。

鑑定書は、「呼吸状態の急変の副次的原因としてフォンタン型肺高血圧の存在が関与した可能性は考えられる」、「肩呼吸、鼻翼呼吸、呻吟呼吸、下顎呼吸が出現した時点で、ICUにおける常時観察、継続的な中心静脈圧測定、定期的な動脈血ガス分析、人工呼吸管理を行う必要があった」などと判断しました。

さらに鑑定医師2名に対する出張尋問を行った結果、最終的には2000万円で和解が成立したものです。

子の心臓手術に関しては取り扱う医療機関も限られるため、協力医も少なく苦労しましたが、高裁で盛り返して鑑定結果を一部利用して無事解決した事案になります。

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