• 医療ミス・医療過誤・医療事故の法律相談
  • 弁護士紹介
  • 古賀法律事務所・地図・アクセス
  • お問い合わせ

古賀克重法律事務所 医療ミス・医療事故 相談事例・実績

医療ミス・医療過誤・医療事故の法律相談 Home > 医療ミス・医療事故 相談事例・実績

ウイルス性脳炎を疑った諸検査を実施せず抗ウイルス薬の投与を怠ったため後遺症

頭痛が続いて医療機関を受診したところ、ウイルス性髄膜炎として対処療法を実施するのみで、ウイルス性脳炎を疑って諸検査を実施せず抗ウイルス薬の投与を怠ったため、ウイルス性脳炎の後遺症を残したケースで、3500万円で示談が成立した事案

本件は、頭痛に加え、発熱、けいれんの出現した患者が髄液検査の結果からウイルス性髄膜炎と診断・入院し、発熱、頭痛に対する対処療法のみが行われ、症状が軽快しなかったにもかかわらず、その方針が変更されることがなかったため、器質性精神病および脳炎後遺症に伴う言語障害、高次機能障害が残存したというケースです。

日に日に症状は悪化したため転院したましたが、転院先病院は、感冒様症状に続く発熱、頭痛、髄液細胞数の上昇、異常行動といった病歴、髄膜刺激症状、高次脳機能障害といった所見からウイルス性脳炎との診断した上、直ちにウイルス薬の投与等の治療を開始しています。

医療機関は、ウイルス性髄膜炎の症候・髄液異常に脳実質病変による症候・所見(意識障害、精神症状、けいれん、運動麻痺・知覚障害を含む脳局所症候等)が加わった場合、ウイルス性脳炎と診断した上、ウイルス薬の投与および抗生物質の投与を行うべき注意義務を負担しているというべきです。

本事案においては、遅くとも「後ろから音がする」など意味不明な言動が発現した時点で、ウイルス性脳炎への罹患を疑い、抗ウイルス薬および抗生物質の投与をすべきであったにもかかわらず、これを怠ったとして、ウイルス性脳炎の治療開始が大幅に遅れたと主張したものです。

当職からの損害請求書に対して、医療機関は、「ウイルス性脳炎への罹患を疑い適切な治療を開始すべきであった過失については否定できない」と過失を全面的に認める回答をしてきました。

ただ後遺障害が言語障害等であったため、損害額の認定についてのみ争いになりました。

そこで、後遺障害診断書、職業への影響をまとめた資料等を追加提出して補充立証した結果、3500万円にて訴訟前に示談成立できたものです。

ウイルス性脳炎は、ウイルス性髄膜炎の症状に意識障害・運動麻痺などの脳実質病変の症状が加わった病態です。通常は抗ウイルス剤の投与による治療を行いますが、この診断と治療の遅れによって重篤な後遺障害が残るケースは少なくありません。

裁判例としても、ウイルス性脳炎で死亡した患者に対して、その初期症状である排尿障害を確認しながら必要な検査を実施せず、抗ウイルス剤を投与する処置をしなかったとして医療機関の責任を認めた新潟地裁平成17年2月25日判決などがあります。また過失としても、「医師は男性の症状について十分な問診をしなかった」として、安易に精神疾患の可能性が高いと精神科を紹介した医療機関に1億3000万円の賠償を認めた平成19年4月26日名古屋地裁判決もあります。

相談事例・実績一覧