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古賀克重法律事務所 医療ミス・医療事故 相談事例・実績

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脊椎麻酔用薬を静脈内に誤投与したため、患者が急性局麻酔中毒を発症し、一時心肺停止状態に陥った

子宮体癌疑いで入院した患者が子宮全摘術を受けて入院していたところ、医師がガスターの側管注射に続いて、1%カルボカインを静脈注射したため、患者が急性局麻酔中毒を発症して、一時心肺停止状態になったケースについて、医師が謝罪した上500万円の示談に応じた事案

注射・点滴の誤投与は典型的なミスですが、日本医療機能評価機構が事例集積しているヒヤリ・ハット事例においても、毎年多数のケースが報告されています。

本件は、看護師から患者への点滴確保と2剤の投薬の依頼を受けた経験の浅い医師が、依頼内容を確認・理解せずに漫然と静脈注射と思い込んだというものです。

「ガスターの側管注射とPCA補充して下さい」と言われた際、担当医は、PCAが何の略か分からなかったにもかかわらず、問い返すこともせずに漫然と静脈注射と思い込みました。

そしてガスター静注後、「PCA」と書かれたラベルを見た時点でも「何かな」と思ったにもかかわらず、硬膜外持続注入容器に薬剤を追加する経験がなかったために、薬剤投与方法としては静脈注射しか思い浮かばなかったというものです。

1%カルボカイン投与の途中で患者は不穏状態に陥り、意識低下して上肢硬直した状態になりました。挿管など緊急措置が取られるなどして、患者は幸い一命を取り留め後遺症も残りませんでしたが、場合によっては死亡していた重篤なミスです。

ところが担当医からの直接の謝罪はなく、損害賠償の提案もないままだったため、不審を抱いた患者・家族から相談を受けたものです。

相談を受けた結果、私が受任することになりました。医療事故は通常、過失の有無を調査する医療調査から受任しますが、本件については過失は明らかと判断して損害賠償請求事件として受任しました。

内容証明郵便を出したところ、病院から直ちに連絡が入り、担当医が謝罪した上、慰謝料500万円を支払うことで早期示談が成立しました。

ヒヤリ・ハット事例は患者に全く支障がなく、健康被害が出るまさに直前のところで事故回避できたケースも数多くあります。医療も人が行うものである以上、ヒヤリ・ハット事例を集積して再発防止につなげる視点が何よりも肝要です。

特に実際に医療事故に至った場合には、医療機関から患者家族に対する真摯な説明や謝罪が必要ですし、医療機関内で共有することが求められます。ところが本件のように一部の関係者内で穏便に済まそうとするケースが散見されますが、それでは再発防止にはつながりません。

本件も謝罪を強く求めるとともに、今後の再発防止のために研鑽を積むことを示談条項に入れた上、示談解決を受け入れました。

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