人口妊娠中絶術の際、子宮穿孔・小腸損傷によって子宮修復・小腸切除術を受けた
人口妊娠中絶術を受けて帰宅した後、下腹部痛が続き、精密検査したところ、子宮穿破、小腸漿膜損傷、汎発性腹膜炎の診断を受けて、直ちに小腸部分切除、腹膜炎根治術を施行され、腹部にケロイド状の手術痕が後遺した事案において、330万円の示談が成立した事案
産婦人科の出産時の医療事故のみならず人工妊娠中絶術による医療事故の相談もあります。
本件は約3か月で妊娠中絶手術を受けて帰宅しましたが、下腹部痛が続くため、再度病院を受診しました。ところが症状把握できず、その後造影CTを行って直ちに緊急開腹手術を余儀なくされたものです。
妊娠中絶の場合、無理に掻爬すると子宮穿孔を生じさせることもあります。穿孔が疑われる場合にはただちに手術を中止して穿孔を最小限に止めなければいけません。もちろん術後に穿孔が疑われる場合には直ちに必要な諸検査を行うべきです。
ところが、本件は、病院が無理に掻爬を継続したため、子宮穿破を生じさせたばかりか、その後も子宮穿破に気付かず漫然と処置を続けたために加えて小腸まで穿孔させ、40センチにまで及ぶ小腸漿膜損傷まで後遺させたものでした。そして術後の下腹部痛の訴えにも適切な諸検査を行いませんでした。
その結果、患者は、子宮修復、小腸部分切除、腹膜炎根治術を受けざるを得なかったものです。
ご家族が法律相談に来られて受任し、損害賠償請求を行って示談交渉を行いました。
損害立証にも工夫して後遺障害の有無についても詳細に主張した結果、330万円と同種事案では比較的高額の示談が成立して無事解決しました。